Microsoft MVP for .NETを受賞しました

2015-04-01

2015年4月よりMicrosoft MVP for .NETとして活動できることになりました。人生初のMicrosoft MVP アワードです。

3月15日に誕生日を迎えてから、旅行先で成人祝いにお酒を飲んで帰り道に財布を落としたり、夜大学に行ったら学生証を忘れて外で長い間待たされたり、散々な目にしか合っていませんでしたが、その辛さも忘れられるような非常に嬉しいお知らせをいただきました。

今までお世話になった方々に感謝の気持ちを込めて、私と.NETとそのコミュニティについて振りかえってみます。(ちょっと長いです)

私と.NETとそのコミュニティ

はじまり

私が初めてプログラミングに興味を持ったのは中学校2年生の時でした。当時「プログラミング 入門」で検索して、多くのサイトで見かけたのが「Visual Basic」という単語。お小遣い1000円を手に、すぐさま近所のブックオフに行って買った本が**「図解でわかるVisual Basic入門」**です。

図解でわかるVisual Basic入門[.NET2003・2005対応]CD-ROM付

今でもまだ大切に持っています。内容はVS2005 Express Editionを用いて、「時計アプリやメモ帳を作ってみよう」という実践的なチュートリアル本でした(ちなみに私が購入した時にはVS2008がリリースされていました)。当時はコードの内容をあまり理解できなかったのですが、Visual Studioのデザイナーを用いてそれっぽいUIを作ったり、Intellisenseと分かりやすいデバッガに助けられつつサンプルプログラムを組み込んだり、部活と勉強との合間によく遊んでいました。

その後も中3あたりにSHARPが発売している電子辞書 Brain向けアプリの自作が流行って、それを作るためにVC++を学んだりしましたが、そこで挫折を味わず日々プログラミングのモチベーションを持続できたのも、最初に触れた「.NETとVisual Studio」という環境が、私にプログラミングの楽しさを教えてくれたからであると感じています。最初から別の環境でプログラミングを始めていたら、きっと今の私はいないでしょう。

それでも一時期プログラミングからは離れた

高校1年生あたりは正直何をしていたか覚えていませんが、とりあえず部活と勉強を頑張っていた気がします。高校2年生の頃、面倒だった部活の朝練の連絡を自動化したいと思い、そのあたりでプログラミング熱が再熱し、同時にサーバーとかセキュリティなどにも興味を持ち始めました。

その頃からジャンクで買ってきたPCをちょっと改良して、自宅サーバー/ネットワークを構築していたりしました。今でも{趣味|勉強目的}で続けていますが、当時からあたがわさん(@ipv4)には本当にお世話になっています。

また、この頃からブログやTwitterを始めて、情報の発信の必要性を感じ始めました。

コンパイラに興味を持った

高校3年生になるあたりで、ふとしたことからコンパイラに興味を持ちました。「Susie」という、プラグインを追加することで読み込める種類の増える画像ビューアがありますが、このソフトを見たときに**「コンパイラもプラグインを追加することでコンパイルできる言語、最適化、出力できるアセンブリなどが増やせれば面白いのでは」**と思いつきました。そこで本屋さんに行って、前橋 和弥さんのプログラミング言語を作るを買って勉強しつつ、実際にVB.NETで実装したのが「**VBCPP**」(ぶいびーしーぷらすぷらす)です。

VBCPPはコア部分に共通のASTを持っており、構文解析,最適化,出力の3段階のフェーズをすべてプラグインでカスタマイズすることができます。(標準でVBの構文解析プラグインとMSILの出力プラグインを同封しています) これにより、自作言語を作成する手間を構文解析プラグインを書くだけに抑えること(VBCPPのAPIを呼び出して、それ以降のプロセスを任せる)ができたり、コードの一部を別の言語で書いて呼び出すこと(一部のメソッドをPythonやPerlで書いてC#から呼び出すなど)ができたりなど、様々なメリットを受けることができます。

4月あたりに開発を始めて8月あたりに完成しましたが、途中2~3回完全に書き直しています。その時から私を支えてくださったのが、ぐらたん先生(@linerlock)、そしてたけしけー先生(@takeshik)です。お二方がいなければ私は挫折したままで、作品を仕上げることができず、その後の道も開かれなかったことでしょう。本当にありがとうございました。ちなみに当時たけしけー先生が私にオススメしてくれたLINQとGentooと二郎は、その後の私の人生を大きく変えた存在となりました。

なおこの作品は、ICT Challenger+R 2012に応募して賞をいただきました。そこで出会った方々のおかげで、その後多くの経験につながっていったのですが、そのあたりはまた別の機会に。

プロ生に参加した

高校3年生の3月に、第20回プログラミング生放送に参加しました。実はこれが私にとって初めてのIT勉強会で、当初考えていたIT勉強会とは全く異なる、プロ生の親しみやすい雰囲気や面白いセッションに魅了されました。ちなみにここでちゃっくさん(@chack411)やだるやなぎさん(@daruyanagi)とも初めてお会いしました。(特にだるやなぎさんはコマネチ動画をセッション中に配信されたことが印象的でした)ここでプロ生に参加していなければ、IT勉強会の楽しさやコミュニティでの出会いの大切さを知ることができなかったと思います。

また大学生になった後も、@jz5さんに「仙台でもプロ生を開催したい!」と無理を言って、仙台でプロ生を開催したりしました。その他プロ生関係者の皆さんには多くのご迷惑をおかけしましたが、その度に優しく支えていただきました。本当にありがとうございました。

仙台に引っ越した

無事大学も決まり、群馬から仙台に引っ越すことになりました。引っ越しが決まってまず確認したのがIT勉強会カレンダー。仙台ではMS系の勉強会が定期的に開催されていないのを知って非常に残念だったことを覚えています。そのような中、初めて仙台で参加した勉強会がエフスタ!!主催のMVP Community Open Day 2013でした。そこで出会った大久保さん(@fstylekun?)をはじめ、エフスタ!!スタッフの方々には今でも本当にお世話になっています。

特に栗原さん(@jyun784)とは、その後もバンジージャンプ中にAzureのインスタンスを立てられるかというミッションを達成するために竜神大吊橋に行ったり、JAZUG 4周年イベントでLT対決をするなど、仙台のIT勉強会を盛り上げるために一緒にEXTREME {Azure|AWS}に取り組みました。今後も是非新しいことに挑戦していきたいです。

MSPとして活動を始めた

2013年12月あたりから渡辺 友太さんに推薦していただいてMSPに入りました。MSPでは、MVPの谷口さん,がりっちさんをはじめ、吉野さん,三村さん,今入さんなど(挙げきれません)、多くの優秀なチームメンバーに囲まれながら、自分のやりたいこと・好きな事に思いっきり力を注ぐことができました。各種勉強会用の資料作成やセッション,運営など、普段なかなか経験できない貴重な経験ができ、その度に学ぶことが多くありました。特に武田さん(@masakit555)には記事の執筆など非常に貴重な機会を頂きました。また現在の活動も春日井さん(@ykasugai)をはじめ、MSPの顧問の皆様の支えがなければ、活動を続けること、そして多くの方に出会うことができなかったと思います。本当にありがとうございました。

勉強会やMVP Open Dayなど、MSPでの活動を通じて、初音さん(@hatsune_)、酢酸先生(@ch3cooh)、かずきさん(@okazuki)、つもりんさん(@tmyt)、みつばたん(@mitsuba_tan)をはじめ、私の憧れとなったMVPの方々とも出会うことができました。

特に初音さんには技術的な相談をはじめ、今後私がどうすれば良いのか迷ってしまった時期に相談に乗っていただくなど、非常にお世話になりました。みつばたんやつもりんさんとは一緒に岡山に行ったり、逆に仙台に来ていただいたりなど、MSPだけでなく個人的にもお世話になっています。

MSPの活動の中で一番印象に残っているのは、Connect();でコメンテーターとして出演したことです。緊張して何を話してよいかわからず、一部投げていただいたボールを蹴り返してしまうようなこともやってしまったかもしれません。もう少し何とかできたのではないかなと後悔は残っていますが、それと同時に「もっと上手く説明したい/もっと深く知った上で、分かりやすく話せるようになりたい」と今後のモチベーションに大きく影響しました。ちゃっくさんをはじめ、しばやん先生(@shibayan),みそ先生(@miso_soup3)、池澤さん、アスキーの皆様、本当にありがとうございました。

仙台でコミュニティを立ち上げた

2014年11月15日に八巻さん(@yamaki00)、山本さん(@nnasaki)、木村さん(@kimura016)、そして私の4人で「サトヤ仙台」というコミュニティを立ち上げました。詳細はこちらをご覧ください。

第1回,第2回の勉強会も、会場の定員を超えるほど多くの参加申し込みをいただき、多くの方にMS技術の楽しさ、そしてIT勉強会の楽しさについて発信することができたかと思います。これも運営の皆さん・登壇者の皆さんをはじめ、多くの方のご協力があったからです。本当にありがとうございました。

私が最初にプロ生に参加して感じたような「ワクワク感」を多くの方に感じていただけるよう、今後も「楽しい!」と思ってもらえるような勉強会を目指して企画していきます。

今後の抱負

長々と書いてしまいましたが、まだまだお世話になってお礼ができていない方はたくさんいます。皆様の支えがなければ私の活動も継続できず、MVPアワードも受賞することができませんでした。改めて本当にありがとうございました。

今回MVPを受賞しましたがこれに慢心することなく、今まで以上に積極的に活動を続けていきます。今まで支えてきてくださった方々への感謝の気持ちを込めて、今後の活動で貢献していければと思います。そのうえでMVPの称号を有効に活用させていただきます。

私にとってMVPの皆様が支えであったように、私も何らかの形でそのお手伝いができるよう精進致します。まだまだ未熟ですが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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